このページでは、簡易金型にかかる初期費用や参考価格などを、3Dプリンター・量産金型と比較をしながら、ご説明していきます。
「簡易金型の立ち上げを検討しているが、どのくらいの費用が掛かるのだろう。」
「この製品の製造トータルコストを考えると、本当に簡易金型が一番良いのだろうか。」
そのような悩みをお持ちの方に、役立てる記事となれば幸いです。
目次
簡易金型の特徴
まず簡易金型の特徴を簡単にご説明します。
簡易金型は、比較的安価&加工難易度の低いアルミ等の鋼材を用い、シンプルかつ簡易な設計で製作します。
これにより量産金型に比べ、初期費用を安く抑え、納期を早くすることが可能です。
一方で、短命であるため大規模な生産ラインには適しておらず、寸法の精度も低くなります。
また、対応できる樹脂も限られる等、短所もあります。
少量生産や、早く試作段階まで持っていきたい製品に向いていると言えます。
簡易金型・量産金型・3Dプリンタの比較
上記3つそれぞれの特徴を「生産数」「初期費用」「単価」「納期」4つの視点で比較してみましょう。
特徴の比較
手法 | 3Dプリント 切削 |
簡易金型 | 量産金型 |
---|---|---|---|
生産数 | ~10 | ~20,000 | 20,000~ |
初期費用 | なし | ~200万 | 200万~ |
単価 | ¥1,000~ | ¥100~ | ¥30~ |
納期 | 約10日 | 約60日 | 約90日 |
3Dプリンタは、初期費用・納期の面では優れていますが、単価が高く、生産数も極めて少なくなります。
量産金型は、最も生産数が多く、単価も安くなりますが、初期費用も高く、納期は約3か月となります。
特に初期費用が上がると、立ち上げ時の課題になり得ます。
簡易金型は、3Dプリンタと量産金型の丁度良い部分を取った金型です。
生産ロット~20,000個・予算~200万円・納期~60日を実現したい方におすすめの製法となります。
以下のグラフで、簡易金型のメリットを分かりやすく見ていきましょう。
グラフで比較して分かる簡易金型のメリット
「3辺合計300mm以下」「IT公差18」の製品を作る場合の費用シミュレーション
上記グラフから、生涯ロット2,000~14,000個の場合は、簡易金型での製造が最もメリットがあることが分かります。
~2,000個は3Dプリンタ、14,000個~は量産金型がおススメとなります。
上記グラフは目安となり、製品の形状や材料によっては一概には言えませんが、
簡易金型は生涯ロットおよそ1,000~20,000個を得意とします。
製品事例
※写真はイメージ
医療用部品 | |
大きさ | 10*10*4 |
材質 | HDPE Black |
納期_金型 | 30営業日 |
納期_製品 | 20営業日 |
目安単価_金型 | 80万 |
目安単価_製品 | 50円/1個 |
※写真はイメージ
スイッチ | |
大きさ | 20*10*5 |
材質 | PC White |
納期_金型 | 30営業日 |
納期_製品 | 20営業日 |
目安単価_金型 | 50万 |
目安単価_製品 | 50円/1個 |
※写真はイメージ
カバー | |
大きさ | 34*28*10 |
材質 | PP White |
納期_金型 | 30営業日 |
納期_製品 | 20営業日 |
目安単価_金型 | 80万 |
目安単価_製品 | 80円/1個 |
※写真はイメージ
キャップ | |
大きさ | φ5*5 |
材質 | PC Yellow |
納期_金型 | 30営業日 |
納期_製品 | 20営業日 |
目安単価_金型 | 60万 |
目安単価_製品 | 40円/1個 |
※写真はイメージ
レンズ | |
大きさ | 120*20*20 |
材質 | PMMA N |
納期_金型 | 40営業日 |
納期_製品 | 20営業日 |
目安単価_金型 | 150万 |
目安単価_製品 | 120円/1個 |
※写真はイメージ
錯視作品 | |
大きさ | 80*80*30 |
材質 | ABS N |
納期_金型 | 30営業日 |
納期_製品 | 20営業日 |
目安単価_金型 | 100万 |
目安単価_製品 | 80円/1個 |
※写真はイメージ
錯視作品 | |
大きさ | 90*30*20 |
材質 | ABS N |
納期_金型 | 30営業日 |
納期_製品 | 20営業日 |
目安単価_金型 | 80万 |
目安単価_製品 | 80円/1個 |
※写真はイメージ
レンズ | |
大きさ | 10*10*60 |
材質 | PMMA N |
納期_金型 | 40営業日 |
納期_製品 | 20営業日 |
目安単価_金型 | 70万 |
目安単価_製品 | 30円/1個 |
【参考価格】簡易金型製作
大きさ 縦*横*高 (mm) |
基本形状 | スライド +1スライド |
---|---|---|
小 IT公差18 3辺合計 150mm以下 |
¥500,000 | +¥70,000 |
中 IT公差18 3辺合計 300mm以下 |
¥700,000 | +¥90,000 |
大 IT公差18 3辺合計 450mm以下 |
¥900,000 | +¥110,000 |
※複雑な形状は異なります
※設計提案では設計のスペシャリストが、トータルコスト低減【組立工程まで考慮した設計・金型を安くする構造など】を提案させて頂きます
まとめ
今回の記事をまとめてみましょう。
〇簡易金型のメリット
・量産金型に比べて、納期が早い(約60日) ・量産金型に比べて、初期費用も安い(~200万円程) 〇簡易金型のデメリット ・大規模な生産ラインには適さない ・寸法精度も低い(1mm) ・対応できる樹脂が限られる 〇簡易金型に向いている製品 ・生涯ロット~20,000個 ・予算~200万、金型納期~60日を実現したい ・汎用樹脂(PP・ABS・POMなど)使用 ・求められる寸法精度が1mm程度 |
お問合せはこちらから
御津電子株式会社の人見です。製造でお悩みの事があれば、是非とも弊社にお任せ下さい(^^♪
全力で対応させて頂きます。お電話 :090-9057-8374(担当:人見)
対応時間:9:00~17:00(土日祝除く)質問・見積り依頼などお気軽にお問合せ下さい弊社では、Skype・Teams・Zoomなどを使用したWebミーティングシステムを採用しております。
お問い合わせや製品の打ち合わせなどは、オンラインで対応も可能です
メールフォーム
データ送信の場合は、上記フォーム送信後、y_hitomi@mitsudenshi.co.jpへ送付ください。
中小製造業の経営者でしか知りえないリアルな情報を発信
【主な経歴】リクルート出身。数々の個人賞を受賞し、GMを歴任
【御津電子での実績】苦しい工場経営を1年でV字回復。技術力と人材育成を通じて、日本を代表する企業を目指している
【講演実績】
おかやまテクノロジー展(OTEX)2022 『仲間と共に歩むV字回復ストーリー』
日本金型工業会 『WEBマーケティングの力で新規開拓 ~顧客開拓に成功した事例~』
講演依頼の詳細はこちら
【取材依頼】
NHKワールド、Gogoleニュース…etc
取材依頼の詳細はこちら
代表プロフィールの詳細はこちら