【中国でのプラスチック金型製作の現状。品質・納期・コストについて】の反響が大きく、多くの質問や問合せ、ご意見を頂きました。ありがとうございます。
そこで今回は、頂いた質問や問合せに応える形で、私が感じた疑問と共に、中国で金型製作を行った事例を紹介させて頂きます。
「中国で金型製作する際、どのようなスケジュールになりますか?」「中国での金型製作のリスクは何ですか?」「輸入手続きは?」「納期は?」
金型完成を迎えるまでの流れと共に紹介させて頂きます。
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中国でのプラスチック金型製作の現状。品質・納期・コストについて
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中国の樹脂成型工場の実力
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目次
中国で金型製作した製品の概要
用途:車のエンジン周りに使われる部品
材質:PA6-GF30
寸法許容:±0.20
指定納期:45営業日
※写真はイメージ図です。実際の製品とは異なります。
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金型完成を迎えるまでの流れ【30日】
①金型の詳細見積が届きます
写真は実際の見積もりで、基本的な情報(製品名・価格・工期・保証ショット)はもちろん、『製品写真』『製品サイズ』『重量』『成形トン数』『ゲート』などが、細部にわたって記載されてます。
今回は、日本までの輸送費込みで提出してくれました。
②金型仕様確認資料(DFM)が届きます
弊社ではこの資料を、まず日本の社内へ共有します。成形上問題ないか?日本の設備で成形できるか?ゲート位置は適切か?等詳細事項の確認を行い、疑問点や改善点を中国とすり合わせします。その後、お客様に提出し、打ち合わせ前の事前資料としてご覧いただきます。
③金型製作打ち合わせ
その後、TV会議システム(TEAMS VOOV SKYPE ZOOM Wechatなど)や通話アプリ(Wechat)で、中国側と打ち合わせ行います。通話料は無料。通話品質も問題なし。お客様との打ち合わせ資料を確認しながら、要望事項などを含め、会話を行います。日本との時差もないので、何のストレスもなく打ち合わせは進んでいきます。
④金型製作
金型を作る上で最も重要なのは設備。その設備に対して十分な投資を行っている為、安心したモノづくりを実現出来てます。
【使用する設備一覧】
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⑤金型パーツの寸法精度確認
【使用する設備一覧】
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⑥試作トライ
ここのスピードは非常に速いです。成形で問題が発生した場合、即座に金型を下ろして、隣の金型工場で修正を行い、再トライを行います。成形工場が併設されていない場合は、金型輸送に時間がかかりますが、この工場の場合は輸送時間がない為スピーディーに進めてくれます。
【使用する設備一覧】
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⑦製品 型検
今回自動車部品を立ち上げ、寸法測定個所200カ所・要求寸法精度±0.20でした。全寸法、一発で合格でした。型検データをお客様に提出。何も問題なく金型が完成しました。
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⑧量産トライ
※余談ですが、成形機綺麗だと思いませんか?中国製で油圧式の成形機にも関わらず、とてもきれいに清掃されてました。
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⑨輸出
専用の木箱を使って、綺麗に梱包されて、日本に輸出されます。ちなみにエアーで運びますので、2日ほどで到着します。
金型製作についてQ&A
Q 先方のスタッフの対応力は?
A 上手な日本語をしゃべる方が担当です。日本語も問題なし。Wechatを使って、とても迅速に対応してくれます。
Q 通信手段は?
A 日々の会話はWechatという日本でいうLineアプリを使います。TV会議は、TEAMS VOOV SKYPE ZOOM Wechatなどを使います。通話料は無料・通話品質は少し悪いくらい。なんのストレスもありません。
Q コストは?
A 日本の業者約3社に見積もり依頼を出しました。その日本の業者と比べて、約1/2~2/3でした。
Q 品質は
A 日本に負けない、むしろ日本より上です。事前資料の用意・三次元測定機を使った金型製作・量産トライ迄のスピード。何をとっても素晴らしい。大きなトラブルなく、量産を迎える事が出来ました。
Q 進めていく中で困った事は?
A 中国に成形材料を送る事です。中国では手配出来ない材料でした。その為、日本から材料を輸出。EMS・インボイスの作成など、初体験でしたが、日本と送るくらいの手続きで終わりました(笑)材料も約2日で中国へ到着。最初は非常に焦りましたが、難なく終わりました。
Q 万が一金型が壊れたら?
A 全てのパーツにレーザー刻印をしています。壊れたパーツのナンバーをおっしゃって頂ければ、そのパーツを作って送ります。
もちろん、金型図面もお渡ししますので、現地で調達して頂いても問題ありません。
Q 製作実績は?
A 弊社が進めている案件は約40面あります。全て順調に進んでいます。弊社以外でも、オムロン様、中央発條様など、多岐に渡って取引をされてます。
Q コロナの影響は?
A 特にありません。強いて言うなら、輸送日数において、1日遅れるという影響があったくらいです。
Q 業者によって、当たり外れがありませんか?
A 業者選定は非常に重要です。他社の事例で酷い目にあった体験談はよく聞きます。資本金・設立年数・取引クライアント・クライアントからの評価等、多くの情報を集めて、取引先を選定しなければなりません。
最後に
率直な感想としては、「日本で金型製作する意味はあるのか?」です。
リスクに感じていた通信手段・輸送手段日本と同じ。
QCDS(品質・納期・コスト・サービス)は日本と同等もしくはそれ以上。
社内会議で「中国で金型製作する」という方針を出した時は、正直とても怖かったですし、赤字も覚悟をしました。
ですが、いざ立ち上げてみるとなんのストレスもなく量産を迎えています。
今では製作実績も積み上がり、非常に信頼をしています。
弊社では、中国での金型製作を得意としておりますので、ご興味のある方は是非一度お問合せ頂ければと思います。
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中小製造業の経営者でしか知りえないリアルな情報を発信
【主な経歴】リクルート出身。数々の個人賞を受賞し、GMを歴任
【御津電子での実績】苦しい工場経営を1年でV字回復。技術力と人材育成を通じて、日本を代表する企業を目指している
【講演実績】
おかやまテクノロジー展(OTEX)2022 『仲間と共に歩むV字回復ストーリー』
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