このたび、日本経済新聞の記事
「ナフサ高、中小経営を圧迫 調達力で大手に後れ」
の中で、御津電子株式会社の現状について取り上げていただきました。
記事内では、当社のプラスチック加工事業において、材料費が約1割上昇し、1カ月あたり100万円近いコスト増になっている状況について掲載いただいています。
製造業に携わる方であれば、
「また材料が上がるらしい」
「次はどこまで上がるのだろう」
そんな会話をする機会が、この数年で本当に増えたのではないでしょうか。
今回の記事は、単なる【原材料高騰のニュース】ではなく、今まさに全国の中小製造業で起きている現実を映した内容だと感じました。
そこで、日本経済新聞掲載のご報告とともに、記事の要点、そして実際に現場で感じていることを私の視点でまとめてみました。
目次
ナフサ高騰が、中小製造業を直撃している

今回の記事では、「ナフサ高騰」によって中小企業の経営が圧迫されている現状が特集されていました。
ナフサは、樹脂やプラスチック材料の原料となる重要な資源です。
そのため、ナフサ価格の上昇は、プラスチック関連製品を扱う企業へ直接影響します。
記事内では、当社を含め、全国の中小企業が原材料価格の上昇や調達難に苦しんでいる状況が紹介されていました。
特に印象的だったのが、日本商工会議所への相談件数です。
記事によると、ナフサ調達難に関する相談は5月の連休明けから急増し、5月だけで1000件程度に上っているとのことでした。
これは、一部業界だけの話ではありません。
実際、製造業の現場では、
「材料の見積有効期限が極端に短くなる」
「発注しても納期が読めない」
「急な価格改定通知が届く」
「必要量を確保できない」
などといった状況が、以前より明らかに増えています。
“いつも通り”が通用しなくなっている。
そんな空気感を、多くの中小製造業が感じているのではないでしょうか。
原材料高騰は、“静かに利益を削っていく”

ニュースでは「原材料価格の上昇」と一言で語られますが、実際の現場では、その影響は想像以上に大きいものがあります。
特にナフサ価格の高騰は、樹脂・プラスチック材料の価格へ直接影響します。
製造業では、材料費の変動がそのまま利益に直結するため、数%の値上がりでも、月単位では大きな負担になります。
記事内でも、当社のプラスチック加工事業では材料費が約1割上昇し、1カ月あたり100万円近いコスト増になっていると紹介されました。
数字だけ見るとシンプルですが、実際には非常に重い負担です。
しかも難しいのは、その増加分をすぐに価格へ反映できるとは限らないことです。
記事内でもコメントさせていただいた通り、価格転嫁が反映されるまでの数カ月間は、自社で負担せざるを得ない状況があります。
つまり、原材料価格は上がっているのに、売価にはすぐ反映できない。
この“タイムラグ”が、中小企業の経営体力を静かに削っていきます。
「価格を上げればいい」だけでは済まない

記事内では、日本商工会議所が4月に実施した調査結果についても触れられていました。
原材料などコスト増加分の4割以上を価格転嫁できた中小企業は、半数にとどまったとのことです。
さらに、従業員10人未満の企業では、価格転嫁できている割合はさらに少ないと紹介されていました。
これは非常に現実的な数字だと思います。
外から見ると、
「材料が上がったなら値上げすればいい」
と思われることもあります。
ですが実際には、そう単純ではありません。
長年取引しているお客様との関係性もありますし、
品質
納期
安定供給
対応力
も含めて信頼をいただいているからです。
特に中小企業では、営業専門部署を大きく持たない会社も少なくありません。
現場対応をしながら価格交渉も進める。
その難しさは、実際に中小製造業を経営している方ほど共感いただける部分ではないかと思います。
調達力の差を現場で感じる時代。

今回の記事の大きなテーマの一つが、
「調達力で大手に後れ」
という部分でした。
これも、現場感覚として非常に共感する内容でした。
大手企業と中小企業では、
調達量
在庫確保力
情報量
価格交渉力
などに差があります。
記事内では、原料価格が高騰する中で、必要な材料を十分に確保できず、生産への影響を懸念する声も紹介されていました。
実際、今の製造業では、
「作る前に、まず材料を確保できるか」
という視点が以前より重要になっています。
世界情勢、原油価格、為替、物流 ―。
自社だけではコントロールできない要素が増える中で、どう安定してものづくりを続けるか。
それが今、多くの中小製造業に共通する課題になっているように感じます。
最後に― それでも現場は止まらない

こうした厳しい状況の中でも、現場では今日もものづくりが続いています。
材料状況を確認しながら、
納期を調整し、
お客様や仕入先様と相談を重ねながら、
少しでも安定した供給ができるよう動き続けています。
製造業は、一社だけでは成り立ちません。
仕入先様、協力会社様、お客様、そして現場で働く社員。
多くの人たちの支えがあって、ものづくりは続いています。
今回、日本経済新聞に掲載いただいたことで改めて感じたのは、同じような悩みを抱えながら頑張っている中小製造業が、本当にたくさんあるということです。
製造業を取り巻く環境は、今後も変化していくと思います。
それでも御津電子は、目の前のお客様と真摯に向き合いながら、これからも一つひとつのものづくりを大切に続けてまいります。
今回、このような形で現場の声を取り上げていただいた日本経済新聞様に、改めて感謝申し上げます。