この度、御津電子の取り組みが
山陽新聞に掲載されました。
記事では、香川県宇多津町に新設する工場や、制御機器の生産能力拡大、DX・AIを活用した生産改革などについて紹介されています。
1970年の創業以来、御津電子は設計から製造までを一貫して担うものづくり企業として歩んできました。
そして今、国内製造の重要性が再び高まる中で、私たちは新しい成長フェーズに入ろうとしています。
本日は、その背景と私たちの挑戦について少し詳しくお話ししたいと思います。
目次
山陽新聞掲載記事

宇多津(香川)に新工場 [御津電子] 制御機器の生産倍増へ
制御機器、精密プラスチック部品製造の御津電子(岡山市北区宿本町)は香川県宇多津町に四国第二工場を整備し、4月から操業を始める。設計から製造までの一貫体制を敷く強みを生かし、受注が堅調な制御機器の生産能力を倍増させ、2030年度に売上高25億円を達成するための足掛かりにする。
同社は工場やマンションにある大型の電動扉や機械式駐車場、衣類乾燥機といった産業機械を動かす制御機器をはじめ、自動車や電子製品向けのプラスチック部品を手がける。新たに住宅や店舗向け建材メーカーの四国化成材(丸亀市)から大型制御機器の受注が決まった。
08年操業の四国工場(坂出市)の近くから大型制御機器をそれぞれ扱うことにする。新工場は宇多津町東分の民有地約1500平方メートルと鉄骨平屋約500平方メートルを取得して整備した。新規雇用の10人を含む約30人体制でスイッチやコンデンサーなどを手作業で組み立て、重さ25キロ以下の小型制御機器を従来の2倍となる月約2千個生産する計画。
デジタルトランスフォーメーション(DX)と人工知能(AI)の導入により、大型ディスプレーで生産工程を可視化したり、受発注の自動管理といった省人化を進めたりする。投資額は約1億2千万円。
大型制御機器を扱う四国工場は作業スペースの拡充で、月約200個と従来の2倍の生産量を見込む。
制御機器の販売先は岡山、香川、広島県が中心で、新工場は瀬戸中央自動車道坂出インターチェンジから西約500メートルという好立地も決め手になった。中国四国地方では設計から生産まで一貫して請け負える企業は少ないといい、御津電子には産業機械メーカーからの問い合わせも多く、将来的には生産拠点のさらなる増強も検討するという。
人見雄一社長は「新工場でDXやAI活用の知見を深め、他の生産拠点への横展開により事務部門の効率化も続けたい」と話す。
御津電子は1970年設立。資本金1千万円、売上高約9億円(2026年3月期見込み)。従業員約70人。プラスチック部品は牛窓工場(瀬戸内市牛窓町)で製造している。
(山陽新聞 2026年3月9日掲載)
四国第二工場に込めた想い

今回の四国第二工場の開設は、単に生産能力を増やすためだけの取り組みではありません。
もちろん、お客様からのご依頼が増えている制御機器の生産体制を強化するという目的もありますが、それ以上に私たちが大切にしているのは、これからの時代にふさわしい新しいものづくりの現場をつくることです。
私たちが目指しているのは、設備や仕組みだけが進化した工場ではなく、
人と技術、そしてデジタルが調和する「次世代型のものづくり現場」です。
現在、製造業を取り巻く環境は大きく変化しています。
例えば、多くの企業が直面している課題として挙げられるのが、人材不足や熟練技術者の高齢化による技術継承の問題です。さらに、デジタル技術の急速な進化や、グローバル市場における競争の激化など、製造業はこれまで以上に柔軟な変化と対応力が求められる時代に入っています。
こうした課題に対して、御津電子ではDX(デジタルトランスフォーメーション)とAIの活用を重要なテーマとして掲げ、新しい工場のあり方を模索してきました。
四国第二工場は、その挑戦を具体的な形にした拠点でもあります。
新工場では、生産工程の状況を大型ディスプレーでリアルタイムに表示することで、現場の状況を誰でも直感的に把握できる仕組みを取り入れています。これにより、工程の進み具合や作業の負荷を可視化し、より効率的で無駄のない生産体制を実現することが可能になります。さらに、受発注の管理についてもデジタル化を進めることで、事務作業の負担を軽減しながら、よりスムーズで正確な業務運営を目指しています。
しかし、私たちがこの取り組みの中で最も大切にしているのは、「人が主役の工場」であるという考え方です。
DXやAIという言葉を聞くと、「人の仕事が減るのではないか」と感じる方もいるかもしれません。けれども御津電子が目指しているのは、人を減らすためのデジタル化ではありません。むしろ、デジタル技術を活用することで、人が本来発揮すべき力に集中できる環境を整えることが目的です。
例えば、これまで人が時間をかけて行っていた管理業務や確認作業をデジタルがサポートすることで、現場のメンバーはより創造的で価値の高い仕事に時間を使うことができるようになります。現場での改善活動や品質向上への取り組み、そしてお客様のニーズに応えるための工夫など、人にしかできない仕事に力を注げる環境をつくることができるのです。
つまり御津電子にとってのDXとは、単にシステムを導入することではなく、
「人の力を最大限に活かすための進化」でもあります。
宇多津工場は、その考え方を体現する拠点としてスタートします。
ここで得られる経験やノウハウを今後ほかの拠点にも展開しながら、御津電子全体のものづくりをさらに進化させていきたいと考えています。
設計から製造までの一貫体制

御津電子の大きな強みの一つが、設計から製造までを一貫して対応できる体制です。
ものづくりの現場においては、製品の企画や設計、部品の選定、組立、検査、量産といった多くの工程が関わりますが、御津電子ではこれらの工程を社内で連携しながら一体的に進めることができる体制を整えています。
制御機器の分野では、一般的にそれぞれの工程が別々の企業や部署に分かれているケースも少なくありません。
たとえば、製品の設計を専門に行う企業、電子部品の調達や選定を担う企業、実際の組立を担当する製造会社、そして最終検査や量産工程を担う企業など、複数の会社が関わりながら一つの製品が完成することも多くあります。
具体的には、
・製品の回路や構造を考える「設計」
・用途や性能に合わせて部品を決定する「電子部品の選定」
・実際に機器を組み立てる「組立工程」
・品質を確認するための「検査」
・安定した供給を実現するための「量産体制」
といった工程があり、それぞれ専門性の高い重要な役割を担っています。
こうした工程が分業されている場合、それぞれの企業の専門性を活かせる一方で、工程間の調整に時間がかかったり、設計変更の対応に手間がかかったりするケースもあります。
また、情報の伝達や仕様のすり合わせに時間を要することで、開発スピードや柔軟な対応力に影響が出ることも少なくありません。
その点、御津電子ではこれらの工程を社内で一体的に進めることができるため、各部門が密接に連携しながら製品開発を進めることができます。
設計と製造の距離が近いからこそ、現場の声をすぐに設計へ反映させたり、より効率的な製造方法を検討したりすることが可能になります。
その結果として、
スピード感のある開発対応、柔軟な設計変更への対応、そして高い品質管理体制を実現することができます。
お客様からの要望や仕様変更にも迅速に対応できることは、多くの企業様から評価をいただいているポイントの一つです。
また、中国・四国地方において、設計から製造までを一貫して請け負うことができる企業は決して多くありません。
そのため近年では、産業機械メーカー様をはじめとしたさまざまなお客様から、新規開発に関するご相談やお問い合わせをいただく機会も増えています。
御津電子では、単に製品をつくるだけではなく、お客様のものづくりを技術面から支えるパートナーでありたいと考えています。
設計段階から製造まで一貫して関わることで、お客様のニーズや課題をより深く理解し、最適なものづくりを提案できる企業であり続けたいと思っています。
地域とともに成長する企業へ

御津電子は1970年の創業以来、岡山の地で生まれたものづくり企業として、地域の皆さまに支えられながら歩みを続けてきました。
創業当初から大切にしてきたのは、単に製品をつくる会社であるだけではなく、地域の中で役割を果たし、信頼される企業であり続けることです。そうした想いを胸に、私たちは長年にわたり、ものづくりを通じて地域社会とともに成長してきました。
現在、御津電子は岡山本社を中心に、精密プラスチック部品を製造する牛窓工場、そして制御機器の製造拠点である四国工場と、複数の拠点で事業を展開しています。
それぞれの拠点では、多くの従業員や協力会社の皆さま、そして地域の方々に支えられながら日々のものづくりが行われており、その一つ一つの積み重ねが、御津電子の現在の事業基盤を形づくっています。
今回新たに開設する四国第二工場においても、地域に新しい雇用を生み出すことができました。
新しい拠点をつくるということは、設備や生産体制を整えるだけではなく、地域の人材とともに新しいチームを築き、地域社会の中で新たな価値を生み出していくことでもあります。私たちはこの工場が、地域の皆さまとともに発展していく拠点になることを願っています。
製造業は、地域経済を支える重要な産業の一つです。
工場での生産活動は雇用を生み出すだけでなく、関連企業や協力会社との取引、物流、サービスなど、さまざまな形で地域経済とつながっています。だからこそ私たちは、ものづくりを通じて地域社会に貢献する企業でありたいと考えています。
2030年に向けた挑戦

御津電子では現在、2030年に売上高25億円を達成するという中長期の目標を掲げています。
これは単に企業規模を拡大するための数字の目標ではなく、私たちがこれからどのような企業として成長していくのかを示す、大きな指針でもあります。
売上という数字の先に私たちが本当に目指しているのは、
「中四国エリアで最も頼られる制御機器メーカーになること」です。
産業機械や設備を支える制御機器は、普段は目に見えにくい存在ではありますが、工場や設備を安全かつ確実に動かすために欠かすことのできない重要な役割を担っています。だからこそ、私たちは単に製品を供給するだけではなく、お客様のものづくりを技術面から支え、困ったときに真っ先に相談していただけるような存在でありたいと考えています。
その実現のために、御津電子ではいくつかの取り組みを同時に進めています。
一つ目は、生産拠点の強化です。お客様からのニーズに安定して応え続けるためには、品質を保ちながら生産能力を高めることが欠かせません。今回の四国第二工場の開設も、そうした体制強化の一環として進めてきた取り組みです。
二つ目は、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進です。生産現場や業務のデジタル化を進めることで、作業の効率化や情報共有のスピードを高め、より柔軟で強いものづくり体制を構築していきます。デジタル技術を活用することで、これまで以上に効率的で質の高い業務運営を目指しています。
三つ目は、技術力の向上です。制御機器の分野では、電子部品や制御技術の進化に伴い、製品に求められる性能や品質も年々高まっています。お客様の期待に応え続けるためには、常に技術を磨き続けることが欠かせません。設計から製造までの一貫体制という強みを活かしながら、より高い技術力を持つ企業を目指していきます。
そして四つ目が、人材育成です。どれだけ設備やシステムが進化しても、最終的にものづくりを支えているのは人の力です。社員一人ひとりが技術や知識を高めながら成長できる環境を整え、その成長が企業の発展につながるような組織づくりを進めていきたいと考えています。
今回開設した四国第二工場は、こうした取り組みを具体的に形にするための重要な拠点でもあります。
新しい設備やDXの仕組み、そしてAIの活用などを積極的に取り入れることで、次世代のものづくりのモデルとなる工場を目指しています。
そして、この新工場で得られた経験やノウハウは、四国工場や岡山本社、牛窓工場など、他の拠点にも順次展開していく予定です。
それぞれの拠点が連携しながら進化していくことで、御津電子全体としてのものづくりの力をさらに高めていきたいと考えています。
2030年に向けた挑戦は、まだ始まったばかりです。
御津電子はこれからも、技術と人の力を大切にしながら、ものづくり企業として新しい価値を生み出し続けていきます。
これからも御津電子は、ものづくりを通じて社会に価値を届けながら、
「ものづくりは幸せづくり」という理念のもと、より良い未来をつくり続けていきます。
今後の御津電子の挑戦に、ぜひご期待ください。