日本の中小 製造企業へ壊滅的な打撃!? EV好調の波が与える、製造業への影響と今後について


EV化が与える 製造業への影響

世界の自動車産業は、EV化へのシフトが急加速している。
欧州では2035年にハイブリットも含めてガソリン車の販売が禁止、米国では2030年に新車の50%を電気自動車へ、中国では2035年までに全ての新車を電気自動車へ。
世界の自動車産業は、変革期に入ってきています。

EV化はまさにゲームチェンジャー。世界の企業の動きも、急加速で変革を遂げ始めています。

航続距離が500km以上のテスラ(米国)が300万円台で登場、、中国の自動車メーカー上汽通用五菱汽車(ウーリン)爆売れ中の“50万円EV”、「中国版テスラ」として名高いNIO等、勢力図も一変し始めています。

EV好調の波が与える日本の製造業への影響とその対策について、弊社が持っている情報を共有します。
少しでも参考にしていただければ幸いです。

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世界のEV事情は??

世界のEV事情
現在日本の自動車メーカーのEV化は、遅れていると言わざるを得ません。
テスラの時価総額は7000億ドルを突破。 トヨタ・GMなど大手6社の合計価値上回っている。すなわち投資家はテスラが圧倒的に価値が高いと判断をしている。
この事実は日本の自動車産業ののど元に突き付けられている。
※テスラ(米国)のスペック…航続距離は500km/自動運転はレベル2(ほぼ手放しで目的地に到達)/0-100kgの加速はポルシェより速い

日本ではEV化を実感する事は少ないですが、アメリカや中国に行けばEV化をまじまじと感じる事が出来ます。
充電スタンドが半径50kg以内に無数に存在。例えば、ランチや買い物しながら充電、という風景が日常になっています。
テスラの充電スタンド

このままでは日本の自動車産業は壊滅的な打撃を受ける可能性が高く、企業におけるかじ取りは非常に重要になってきます。

関連写真

テスラモデルXテスラ モデルX
テスラの社内テスラの車内
スーパーチャージャースーパーチャージャー
テスラスーパーチャージャー上海市街地におけるスーパーチャージャー所在地

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テスラ、時価総額7000億ドル突破 トヨタ・GMなど大手6社の合計価値上回る

日本の製造業へ壊滅的な打撃!?日本金型産業は自動車頼り

一目でわかる日本の金型産業
上のグラフは、日本の金型産業を一目で表しています。
金型における自動車業界のシェアは70%超。金型の生産高 は1兆円超、就労人数は10万人超、事業所は13000か所超。
日本の金型産業は自動車頼りになっている状況は否めず、万が一日本の自動車産業がガラパゴス化して衰退したら、金型業界は大打撃を受けます。
また金型がなくなるという事は、それに携わる部品加工や、その後の部品製造も打撃を受ける事になり、その影響は計り知れないものになります。
日本の自動車産業の未来は、日本の製造業を占っているといっても過言ではなく、もはやメーカーだけの問題に留まっていない状況にあります。

出典先

一般社団法人日本金型工業会

日本の製造業へ壊滅的な打撃!?EV化でなくなる業界と部品

EV化で 不要な部品 と 必要な部品
もっとも影響を受けるのは、エンジン関連のサプライヤといわれています。
エンジン関連の部品は、数百種類にのぼるといわれており、EV化によってその部品が不要になり、サプライヤにとっては厳しい未来が待っている。
※EV化で不要になる部品…ピストン、ピストンリング、インジェクター、スパークプラグ、クランクシャフト、メタル類、シール類、オイルポンプ、ジェネレーター

これはメーカーのみならず、日本の製造業における大きな問題としてとらえるべきであると考えています。

中小企業 製造業で生き残るために-EV化時代のチャンスとは??-

EV化における ピンチとチャンス
自動車のEV化は、ゲームチェンジャー。エンジンはモーターに、燃料は電池に変わっていきます。
中小製造業が向かっていくべき方向性は以下の3つになるだろうと考えています。

新たな顧客・製品の開拓

既存の技術を活かして、新たな顧客開拓をする事は、ev化の波があろうがなかろうが企業の至上命題。
30年企業が生き残る可能性は1%未満。そう考えるとEV化以外にも他にもゲームチェンジは起こりうる。
だからこそ、常に新規顧客を求め続ける事は、中小企業にとって必須条件である。

新たな技術の開発

既存の技術に頼らず、改善を通じて新たな技術を磨き上げていく事は、これも企業の至上命題。
原価の極小化は、企業の利益創出において重要な戦略となってくる。
ものすごい速度で変化している時代だからこそ、技術の開発も加速させなければならない。
新たな技術は日々の改善の上に成り立つことを考えると、改善を加速させることが一番の近道になる事は間違いありません。

新たな事業の模索

既存の技術を活かして、M&Aなどを通じて新たな事業を模索する事は、経営陣に求められること。
自動化の技術を活かして、食品工場を買い取って自動化する。
改善の技術を活かして、新事業で改善を積み上げていく。
やり方は千差万別だが、情報を集めて先を見越した一手こそ、経営陣に求められている。

最後に

EV化が与える 製造業への影響まとめ
EV化はゲームチェンジャーであり、時代が変わる事を意味しています。
今この状況をピンチと捉えるかチャンスと捉えるかは、企業の考え方一つ
この企業の考え方に、日本の未来がかかっています。