【2023年最新】RO-RO船へのモーダルシフトのメリット・デメリットと対応策


働き方改革の影響でトラックドライバーの時間外労働時間が上限960時間に制限され、さまざまな問題点が現れてきました。

 

問題点の1つとして、トラックの輸送能力の低下があげられます。

 

トラックの輸送能力の低下への対策として、企業は輸送手段をトラックから鉄道や船に変えるモーダルシフトを検討しているようです。

 

以前の記事では半導体と製造業における2024年問題について解説いたしました。

>>【2023年最新】半導体と製造業の2024年問題。半導体を作る会社と使用する会社が出来る事

 

この記事では、物流の2024年問題による輸送手段の転換と転換される輸送手段である海運のメリット・デメリット、今からできる対策について解説します。

2024年問題に対応するためのモーダルシフト

「2024年問題」とは働き方改革関連法の影響で、トラックドライバーの年間時間外労働時間が上限960時間に制限されることによって発生する問題の総称のことです。

 

2024年問題を受けて、企業はモーダルシフトを検討しています。

モーダルシフトとは、トラックで行われている陸送から環境負荷の小さい鉄道や船舶への利用へと転換することです。

引用元:国土交通省

 

なぜモーダルシフトを検討されるようになってきたのでしょうか。要因と対策について解説いたします。

要因 トラックで配送できる荷物に限りが出てくる

モーダルシフトを検討されるようになった要因として、「トラックで配送できる荷物に限りがでてくる」ことが考えられます。

 

働き方改革関連法の影響でトラックドライバーの時間外労働時間が960時間に制限されるのが原因でこれまで運べていた荷物が運べなくなるでしょう。

 

大王海運株式会社は、時間外労働時間の短縮の影響で輸送能力が2割も減少すると予想しています。

 

また時間外労働時間が制限されるせいでトラックドライバーの収入が減少し、離職率が高まり、さらなる輸送能力低下に繋がる可能性も懸念されています。

対策 代替手段として海運や貨物鉄道に輸送手段を移す

トラックでの輸送能力が低下してしまうことから、多くの企業は代替の輸送手段として海運や貨物鉄道を検討しています。

 

海運、貨物鉄道ともにメリット・デメリットがありますが、特に企業は海運に目を向けているようです。

 

昨今、RORO船へのモーダルシフトが顕著になってきています。

 

RORO船とは

 

RORO船とは、貨物を積んだトラックやトレーラーごと船に乗り込み、荷物を運搬できる貨物用の船舶のことです。フェリーもトラックや貨物を輸送しますが、RORO船と違い一般の旅行客も輸送します。

 

トラックやトレーラーごと載せることができるので、フォークリフトを使うコンテナ船に比べて、早く、簡単に荷積みができます。

 

しかし、荷物を運びやすいように車輪付きの台車に載せているので、積載効率の点ではコンテナ船に負けてしまいます。

 

「物流の2024年問題」により、トラックで搬送できる荷物が制限されてしまうことから、一度により多くの荷物を運ぶことのできるRORO船による海運が注目されているのです。

海運のメリット

「物流の2024年問題」により急速に舵を切らなければいけなくなった物流業界。

陸送から海運に注目が集まり始めていますが、どのようなメリットがあるのでしょうか。

 

海運のメリットは以下の2点です。

  • 一度に大量の荷物が運べる
  • 輸送コストが他の手段と比べて低い

    順番に解説します。

     

    一度に大量の荷物が運べる

    海運の1つ目のメリットは、一度に大量の荷物が運べることです。

     

    航空輸送と比べると、約7倍の荷物を運ぶことができると言われています。

     

    一度に大量の荷物が運べるメリットが大きいので、現在は国際輸送の99%は海運が担っています。

     

    国内でも長距離輸送の場合は海運がメインです。店頭に並ぶ食料品や日用品、産業のための資材などを運ぶ際は、海運が多く利用されているようです。

     

    輸送コストが他の手段と比べて低い

    海運の2つ目のメリットは、輸送コストが他の手段と比べて低いことです。

     

    他の輸送手段と比べてコストが低い理由は、燃料の消費が少なく、大量の荷物を一度に運べるからです。

     

    また地球上のほとんどの地域に水路が通っているので、船舶はさまざまなルートから最適な経路を選択することができます。航空輸送や陸上輸送はインフラや地形の制約を受けるため、限られたルートしか選択できません。

     

    海運のデメリット

    メリットが多いように感じる海運ですが、もちろんデメリットもあります。

     

    海運のデメリットは、以下の2点です。

    • 国際情勢の影響を受けやすい
    • 積み下ろしのための港が必要

     

    それぞれを詳しく説明していきます。

     

    国際情勢の影響を受けやすい

    海運の1つ目のデメリットは、国際情勢の影響を受けやすいことです。

     

    例えば為替レートが変動した場合、輸出入業者や船舶のオペレータに影響を及ぼすとされています。特定の通貨の価値が変動すると、船舶の運営コストや輸出入の収益が変化します。

     

    一昔前にはコロナ騒動の影響で港が混雑し、海運が滞ってしまい商品が店頭に並ばなくなったというニュースを聞いた人もいるかもしれません。

    積み下ろしのための港が必要

    海運の2つ目のデメリットは、積み下ろしのための港が必要なことです。

     

    海運では荷物を大量に運ぶために大きな船を利用します。大きな船が停泊できる港がない地域には運送できないということです。

     

    RORO船の場合はトラックのまま荷物を積み下ろしできるので、フォークリフトが港に備え付けられていなくても荷物の積み下ろしができます。

     

    しかしコンテナ船の場合は、積み下ろしの際にフォークリフトが必要になるので、小さな港では対応できない場所が多くなるでしょう。

    今から出来る対策

     

    「2024年問題」により物流業界が変化することは間違いありません。製造業も物流業界と深く関わっているため今から対策すべきです。

     

    今からできる対策として2つ提案します。

    1. 大型荷物はRO-RO船
    2. モーダルシフトで在庫減

     

    それぞれを詳しく解説します。

     

    1.大型荷物はRO-RO船

    1つ目の対策は、大型荷物はRORO船で運ぶことです。

     

    トラックで運べる荷物の量が減るので、小さくてより早く運びたいものをトラックで運ぶようにした方が効率的に物を運べます。

     

    今まではトラックを使っていた事業者もいると思います。配送までの期限・サイズ・配送料を考慮し、商品別に今一度、運送方法を精査してみられてはいかがでしょうか?RORO船の活用により活路がみえるかもしれません。

     

    2.モーダルシフトで在庫減

    2つ目の対策は、モーダルシフトで在庫を減らしていくことです。

     

    トラックだけの輸送に頼ってしまうと減少した輸送能力分の在庫を自分たちで抱えないといけません。

     

    在庫を抱えてしまうと在庫に場所を取られてしまいますし、在庫管理にもコストがかかってしまいます。過剰な在庫はコストでしかありません。

     

    過剰在庫を避けるために、トラック以外の輸送手段に切り替えるモーダルシフトで在庫を減らしていきましょう。

     

    トラックと同じように陸で運びたい場合は、鉄道輸送がオススメです。

     

    まとめ

    この記事では、2024年問題による輸送手段の転換と海運のメリット・デメリット、今からできる対策を詳しく解説しました。

     

    この記事のポイントを整理すると以下のようになります。

     

    • トラックドライバーの時間外労働時間が制限されることにより、輸送手段がトラックから鉄道や船に代わるモーダルシフトが起こる
    • モーダルシフトとして注目されているのが海運。
    • 海運のメリットは、「一度に大量の荷物を運べること」と「輸送コストが他の手段と比べて低いこと」。
    • 海運のデメリットは、「国際情勢の影響を受けやすいこと」と「積み下ろしのための港が必要なこと」。
    • 今からできる対策は、「大型荷物はRORO船で運ぶこと」と「モーダルシフトで在庫を減らすこと」の2つ。

     

    物流業界は製造業と深く関わっているので、製造業者は物流業界の変化をしっかり見ておきましょう。

     

    最後までご覧いただきありがとうございました。


    「物流の2024年問題」による影響をもっと知りたい方は詳しく書いた記事があるので、ぜひご覧ください。

    >>【2023年最新】物流業界に激震、2024年問題と製造業への影響