2021年最新 アフターコロナに向けた 製造業の現状と課題




超満員でのメジャーリーグオールスター開幕・観客6万人以上入場したEURO決勝&準決勝など、アメリカや欧州では新型コロナウィルスとの戦いはもはや過去のように取り扱われています。
日本では、東京に4度目の緊急事態宣言・五輪は1都3県で無観客になるなど、まだ新型コロナウィルスとの戦いは続いています。

アフターコロナに向けてアメリカでは200兆円規模の財政支出・G20での法人税最低15%の新ルール適用・日本でも20兆円規模の財政支出等、世界各国で新型コロナで落ち込んだ景気を回復させるための手立てが次々に放たれています
そういった財政支出に加えて飲食・旅行など新型コロナで落ち込んだ需要が今まで通りに戻ると、世界的には超好景気に見舞われると各企業は予想をしているようです。

その状況の中で製造業では、各企業ともにアフターコロナの爆発的な需要拡大に向けて大量にモノを作ろうとしてます。
ですが、半導体を含めた世界的な材料不足に陥っている為、作りたくても作れない。そんな状況が続いています。

早い段階から材料確保を行っていた企業は多忙を極めており、アフターコロナに向けた対応の速さの重要性を肌で実感している今日この頃です。
弊社が持っている情報を共有しますので、少しでも参考になれば幸いです。

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製造業の現状

建設業界

建設業界
現在の注文状況:減少傾向
今後の注文状況:減少傾向
ウッドショックの影響が出ると思いきや、発生源のアメリカで木材価格が大暴落。要するにバブルが崩壊した状況にあるようです。通常通りに木材は輸入される環境が整ってきつつあるようです。影響は限定的で、今後は回復していくように考えています
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自転車業界

自転車業界
現在の注文状況:増加傾向
今後の注文状況:増加傾向
新型コロナの影響と健康志向の時代の流れを受けて、販売台数が絶好調の自転車業界。政府からの補助金も後押しする為、注文状況も非常に多く、この流れはより加速していくように思います。余談になりますが、原動機付き二輪車も大幅に増加しているようで、こちらも注目していく必要があると思えます
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自動車業界

自動車業界
現在の注文状況:減少傾向
今後の注文状況:減少傾向
半導体不足で各企業が減産に迫られている影響を受け、注文状況は減少傾向にあります。半導体不足が叫ばれる中で、トヨタは前年超えを実現しており、その調達力は非常に勉強になります。アフターコロナを見越しての先んじた部材調達は、ここにきて非常に大きな影響をもたらしています。時代の先を読み先手を打つ、その手法こそ今の時代に必要なのだと考えています
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制御機器業界

制御機器
現在の注文状況:増加傾向
今後の注文状況:増加傾向
新型コロナによって、ファクトリーオートメーションやDX、ロボティックプロセスオートメーションの重要性が叫ばれ、業界に追い風が吹いており多くの注文を頂いている状況です。今後についてもこの状況は続くとみられ、業界はより多忙を極めると見立てています
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健康機器業界

健康機器
現在の注文状況:減少傾向
今後の注文状況:減少傾向
販売手法が対面や体験型のこの業界にとって、新型コロナの終息は心から待ちわびている状況に思えます。注文状況も非常に落ち着いており、アフターコロナで徐々に回復してくると見立てています

農機具業界

農機具業界
現在の注文状況:横ばい
今後の注文状況:横ばい
食糧危機が叫ばれている昨今において、将来は明るく開けている業界。良くも悪くも注文状況は横ばいの現状。今後についても、同様であると見立てています

製造業の課題

アフターコロナ 製造業の課題

生産体制(材料・人員)の担保

どの企業においても、アフターコロナに向けて生産体制を築いている現状。いざ増産になった場合に対応できるよう、材料と人の確保は必須となります。増産になってからでは遅くて、特に技術者は今から採用しておく必要性があります

RPA・DXを通じた生産改善

RPA(ロボティックプロセスオートメーション)・DX(デジタルトランスフォーメーション)に加え、従来のFA(ファクトリーオートメーション)等、工場を劇的に改善させるツールが増えてきています。原価を極限まで下げ、増産にも対応する為、最新のテクノロジーに触れて準備しておくことはとても重要であると考えています

BCP(事業継続計画)の見直し

製造業では、工場を稼働させて売上や付加価値を担保する商売。工場を止めない為に、BCPの見直しは必須事項となります。自然災害などを想定した従来のBCPに加え、対面しない状態でも長期的にかつ安全に稼働できる仕組みを構築する事など、予測できない災害を想定してあらかじめ準備しておくことはとても重要です。

SCM(サプライチェーン)の再構築

新型コロナウィルスは、海外で調達を行うリスクを露呈化しました。BCPの定義自体を再度見直し、サプライチェーン再構築して、サプライサイドリスクマネイジメントを今から行っておくことはとても重要に思えます

まとめ

新型コロナウィルスはビジネス環境を一変させ、時代の変化は劇的に速度を増しています
その中で、淘汰する側になるのか、それとも淘汰される側になるのか。それは経営者の情報収集力・見立て・仕立て・動かす力が重要になってくるのではないかと思います。
海外調達リスクは露呈された今、日本の製造業に再び光が見えてきたように思えます。
磨き上げた技術・おもてなしの精神をもち、世界に台頭できるモノづくりを実現していきたいと思います。