【2023年最新】もはや壊滅的!!半導体、鉄、銅、アルミ…、あらゆる材料の不足が招く、製造業への影響


制御装置の製造
自動車業界も、FAロボット業界でも、建築業界など製造業では、半導体などの材料や鉄、銅・アルミなどの安定的な供給が不可欠である。

しかし、材料の供給不足は深刻であり、自動車業界では製造停止や減産を決定する動きが出ている。例えば、トヨタでは2022年5月に国内工場の稼働を停止し、約10万台の生産に影響を与えると発表した。
自動車だけではなく、パソコンや産業用機器などあらゆる産業に不可欠な材料であるため、あらゆる産業が直接的あるいは間接的に影響を受けている。
半導体を中心とした材料の供給不足は2021年から世界的に続いているが、回復の兆しはなく、悪化の一途を辿っている。

弊社も材料不足のために予定していた生産が実施できず、製品の完成に支障をきたしています。
この記事では、改めて部品不足の原因について整理し、今後の見通しや企業ができる対策についてまとめてみました。
是非参考にしていただければと思います。

部材不足の背景

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以前に解説しているブログ『半導体が足りなくなった7つの理由!』に加えて、2つの出来事が更なる不足に追い打ちをかけている。

22年3月 ロシアによるウクライナ侵攻によって半導体不足が加速化

半導体の製造に不可欠な希ガスやレアメタルなどはロシアやウクライナが有力な生産地となっている。例えば、半導体の生産に必要な希ガスであるネオンはウクライナが世界の供給量の7割を占めているが、戦争によって供給がストップ。

22年4月 上海ロックダウン

中国・上海市のロックダウンによって国営の半導体生産大手である中芯国際集成電路製造(SMIC)の納品予定に狂いが生じている。これを受けて、ダイハツ工業やトヨタは国内の一分工場の稼働停止を発表している。

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今後の見通し

世界的な需要増で部材不足が確定的

電子部品実装装置向けのFAセンサやロボット関連の半導体需要は旺盛に推移している。
さらに新興国を中心とした新規インフラ投資やインフラの修理・補修のためにも半導体が消費されている。
さらに半導体は軍事に不可欠であるが、ウクライナ情勢を受けて米軍事産業への発注が増加しており、半導体の爆発的な需要増が予想される。
世界的な需要増に供給が追いつかず、さらなる部材不足が確定していると考えています。

半導体不足は常態化

スマートフォンや自動車など半導体を必要とする最終製品の需要増、さらにはSDGsの観点からグリーン投資が進んでいる。
一方で、半導体ワーカー不足やウクライナ情勢は長期化が予想され、供給が追いつく気配はない。
半導体全体の需要が飛躍的に増える一方で供給不足が解消される見通しはまだなく、半導体は常に不足する状態になるという見方がある。

企業がやるべき事

日本の製造業
半導体不足に加えて企業を悩ましているのが、加速する円安である。

米FRBが利上げを表明してから、円の価値下落が止まらずに5月には一時1ドル=127円をマークした。
円安基調が続くことによって、原価高騰などが懸念されている中で材料や機械の価格が高騰する前に投資が優先事項となるように思えます。
早めに材料の買い占めや設備への投資を行うことによって、原価高騰の影響を少しでも緩和できると考えており、今からでも遅くないと思います。

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まとめ

新型コロナウイルスを契機として2021年頃から始まった半導体をはじめとする部品・材料の供給不足によって世界中のサプライチェーンが混乱している。
今日では半導体は自動車からスマートフォン、産業用ロボットなどあらゆる業界で不可欠な部品となっており、ほとんどすべての業界が直接的・間接的に影響を受けている。
2021年中に半導体不足が解消されるという希望的観測もあったが、新型コロナウイルスの終息も物流の再開も目処が立っていない。
大手のように材料の買い占めによる独占ができない中小企業は特に追い込まれている。

全く先行きが予測できない状況ではあるが、希望を捨ててはいけない。
一部予想では2022年もしくは2023年に半導体不足が緩和・解消されるという声もある。
現状を正しく認識し、そしてピンチをチャンスに変えるための対策を講じることによって、中小企業にも大いにチャンスはあると考えている。

2023年5月現在の最新情報

現状は、改善の兆しが見え始めており、材料不足が解消に向かっています。
部材の供給も始まってきています。現在、世の中は豊富な物資が溢れる状況に移行し始めています。

シリコンサイクルや経済の動向を踏まえると、2025年に再度大きな波が訪れると予想しています。
それに備え、ビジョンを持って先を見据えた戦略を経営者から求められる状況になっています。