【2023年最新】 昨今の円安がいつもと違う3つの理由を解説!!円安が与える日本の製造業への影響。



世界の情勢は、新型コロナからウクライナ有事、上海のロックダウンなど、混乱に混乱を重ねてかつてないほどに円安が進んでいます。
対ドルに対しての円安のみならず、ユーロも元もカナダドルまで、幅広く円が売られています。

『有事の円』という神話は既に崩壊。日本の経済界にも製造業にも、多大な影響を与え始めています。
円安はメリットもあれば、デメリットもある。ですが、今回は材料不足や高騰化と重なった円安になる為、業界へ多大な影響が出始めています。

このブログでは製造業に焦点を当てながらレポートしていきたいと思います。少しでも参考になればと思います。

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円安とは??

円安の影響
出典元:businessinsider.jp

一言で言えば、円が安くなるという事。
外貨を持っている人は日本で製造されたものが安く手に入るし、日本円を持っている人は海外から輸入する部材が高騰化する。
輸出入を行う企業にとっては、為替差損なども発生し大きな利益変動があります。
自社の業態、エンドユーザー、仕入先などによって影響はまちまちとなります。

メリット

例えば、自動車業界。
世界から見ても高い品質と屈指の安全性能を誇る日本の自動車は、とても人気です。新車も中古車も、円が安い今だからこそ買われる。注文を山ほど抱えており、ある意味バブル状態といえます。

例えば、ドルなどで取引している企業。
日本円に換金せずにドルを保有している場合があります。その場合、ドルの価値が上がっていくため、円に換金した場合大きな為替差損が発生します。
Toyotaなどの企業になると、想定為替レートに対し1円円安になると、対ドルでは400億円、対ユーロでは70億円の営業利益押し上げ効果があるとされています。

デメリット

日本のエネルギーは輸入に頼っています。ただでさえ高騰している原油や石炭が、円安でさらに高まっている
それは結果として、電気代の高騰につながっていきます。弊社の電気代もそうですが、事実上約10%近い電気代の高騰になっています。
『燃料サーチャージ』は、1Kwごとに1円取られるという異常事態になっています。

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今回の円安がいつもと違う3つの理由


今回の円安は、いつもの円安とは少し訳が違います。

部材不足の中での円安

円安の追い風を受けて日本の製造業は大量の注文を受けています。
ですが、製品を作る部材(半導体・アルミ・銅・樹脂)が不足している為、作れない状況が続いてます。
製品を出荷するころまでに円安が加速すれば、赤字製造という最悪の事態も待っています。
円取引だと問題ありませんが、ドル取引となるとこれは大変な事態です。
製造企業にとって部材調達は、経営の生命線になっています。

原料高騰化の中での円安

日本の製造業は、海外からの輸入に頼っている部分が多くあります。原油・鉄・アルミ・銅・石炭、製品の原料となるものは全て輸入。
原料の高騰化に、部材不足・円安が加わって、原料の争奪戦はあちこちで勃発し、原料代は高騰化の一途をたどっています
注文残がある中で原料を仕入れればよいですが、需要と共有のバランスが崩れた時、高い原料在庫を持つ事は企業にとって最悪の事態。
ある意味で原料の高騰化はチキンレースを招いている現状があります。

円安で電気代が高騰!

原油や石炭の高騰化は、電気代の高騰化を招いています。
大量に電力を消費する製造業にとって電気代の高騰化は、死活問題。
実際昨年から20%近く電気代が高騰化しており、経常利益を圧迫している状態になっています。
石油や石炭は今後も見通しがついていない為、電気料金は引き続き予断を許さない状況にあります。

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まとめ

ここまで極端な円安に、原料不足と高騰化、さらに電気代の高騰化が絡まって、日本の製造業にとっては危険な状態にあります。
円が安くなるから注文が増えて、モノが売れるから、企業が儲かる。そんないつもの円安とはわけが違う。
注文は増えるけど、モノが作れないから注文残が増えて、円安が加速して、部材も高くなって、電気代も高くなって、経常利益を圧迫しました。
そんな状況に陥る企業は多いのではないでしょうか。

世界情勢が不安定な中、情報を集めて先を見通し、一手先の打ち手を打てる企業=経営者が、生き残っていくように思えます。
今こそ経営者の手腕が問われる時代に突入した言っても過言ではありません。