2023年最新 半導体が足りなくなった7つの理由!先も見通せない危機的状況は、まだ序章…


半導体不足

世界の製造業バリューチェーンに衝撃が走っている。半導体が不足しており、商品は製造出来ない・または減産対応を強いられている
車・FA機器・PCなど半導体を使う企業は、日々対応に追われて大変な状況が続いている。
状況は改善されるどころか、悪化の一途をたどっている。

弊社もその例外ではなく、『1つの部材が足りない。その為製品が完成しない』といった状況が続いている。
弊社のような中小企業の購買力は、大手に到底かなうはずもない。半導体の納期は1年待ち、ひどいものでは2年待ちといった状況が続いている。

改めて原因を時系列で整理し、今後の見通しについてまとめました。
少しでも参考になればと思います。

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足りないのは半導体だけではない

半導体
コネクタ・スイッチ・センサーなどのFA部品、ハーネスなどの車載部品等、PCや周辺機器、画像測定器など足りないものは半導体のみに限らない。
黄銅・リン系難燃剤・鉄鋼・樹脂等、製品を作る材料が足りていないのが現状。
半導体だけではなく、全ての部材が不足している状況に陥っている。

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半導体不足に陥った出来事を、時系列で整理

20年4月  新型コロナで需要が減少。半導体製造ワーカーが流出

世界的に新型コロナの感染が拡大し、都市のロックダウンが行われた。
当然ながら、需要は減少。工場は利益を確保する為、人件費を削減する一手に出て、半導体の製造ワーカーの流出が始まった。
半導体製造ワーカーの育成には時間を要するが、企業は目先の利益確保を実現する為、解雇という手段に打って出た。
需要が減少している為、在庫は過多状態に陥って、工場は稼働停止状況に追い込まれた。

21年2月  新型コロナで需要増加。ワーカー不足で作りたくても作れない

新型コロナのワクチンの接種率向上と共に、世界経済は回復の兆しに包まれる。
需要は回復し始め、各工場でもコロナ明けの需要爆発を見越して生産を開始。
製造業の技術者育成には時間を要する為、各企業とも急な増産体制に追い付かない状況に。
一方で工場のバイヤーは、先を見越した部材の発注を一斉に始める。
材料はあるが、半導体ワーカーがいない為作れない。そんな状況が広がり始める。

21年2月  米 寒波で大規模停電。半導体関連工場の操業が停止

日本ではあまり大きく報じられることがなかったが、アメリカでかつてない寒波が到来し、大規模な停電状態が続く。
半導体工場、樹脂の製造工場など、製造の心臓部の材料工場が稼働停止状態に陥る。
稼働再開までに3ヵ月、長くて半年と、非常に危機的な状況が続く。

21年2月頃 船のコンテナとワーカー不足し、世界の物流が混乱し始める

新型コロナの復活と同時に、世界の物流が急に動き始める。
一方で新型コロナの影響を受け、輸入したものは2週間港に隔離。
そんな状況も相まって、世界的にコンテナが不足
さらに、アメリカでは失業者に手厚い給付金が配られたため、港で働くワーカーが不足
コンテナは足りない、ワーカーは不足するといった、世界の物流の中心地が全く機能しない状況に見舞われる。

21年2月頃 大手の材料囲い込みが本格化、半導体納期が1年を超え始める

工場の稼働停止・新型コロナ後の需要爆発・世界経済の回復基調などの情報を得て、各大手企業は大量に部材を発注し始める。
大手の情報力とその権力を活かして、部材の争奪合戦が幕を開ける
情報力にかける中小企業は完全に出遅れ状態となり、半導体の納期が1年という異常事態に発展する。

21年3月  半導体製造工場(那珂工場)の火災発生。更に足らない状況

最悪な事に、日本の半導体工場で火事が発生。
半導体不足に更なる追い打ちをかける状況に。
ただでさえ足らない半導体がさらに足らなくなる。
その工場へ主に発注していたのはトヨタ。トヨタが世界中の半導体製造メーカーに注文をかける。

21年9月  中国の大規模停電で半導体関連工場が稼働停止状態に

中国が脱酸素社会を実現する為に、大規模な停電を実施。
半導体製造の関連工場が軒並み稼働停止状態に追い込まれ、さらに部材が足りない状況に。
足らない状況の中で追い打ちをかけるような一手で、半導体の納期は2年待ちなども当たり前の状況に陥る。

22年2月  レアガス(希ガス)の生産地ウクライナが戦争状態に

半導体生産に必要なレアガス(希ガス)やレアメタル(希少金属)など原材料の一部が、ロシアやウクライナへの依存度が高い。
長期化している半導体不足に、更なる追い打ちをかける状況に。

22年4月  上海ロックダウン

世界経済で大きな影響力を持つ上海がロックダウン。
製造業においては、原料メーカー・下請け業者・メーカーすべての工場が稼働停止状態に。
上海の港周りにはコンテナを積んだ船が大渋滞を起こしており、コンテナ不足に更なる追い打ちをかける状況に。

もはや危機的状況、今後の見通し

新型コロナで、東南アジアの工場停止リスクが増大

ここにきて、新型コロナウィルスの『オミクロン株』が登場し、東南アジアでは感染爆発手前の状況。
東南アジアは半導体の前工程をつかさどる工場が乱立している為、世界は多大なリスクを抱えている状況に陥いる。
もちろん大企業はその情報を入手している為、更なる争奪合戦が始まるとみられている。

半導体の需要爆発はもう目の前

IOT・テレワーク機材・PC・スマホ・車の自動運転に欠かせない半導体。
その需要の爆発はこれから始まるといわれている。
半導体を使ったビジネスは本格的に始まるとみられており、各企業が半導体の在庫確保に走っている。

終わりに

時代が凄い速度で加速しており、新型コロナ明けの需要爆発を控えている中で、半導体不足は危機的状況。
もはや中小企業では手の打ちようのない状況までに追い込まれているが、チャンスも転がっている。
日本国も台湾のTSMCを誘致するなど、国が大規模な一手を打つ構えを見せている。
今の時流を読み、今出来る事を最大限考えて実行する。
この大ピンチをチャンスに変えれるのは、経営者の思考にかかっているように思える。
今だからこそ出来る事がある。考え、考え、考え抜いたその先に、日本の製造業の夜明けがやってくると信じている。