「円安の影響で物価が上がっているらしい」
「電気料金が上がっているのも実は円安が関係しているらしい」
このように円安の影響が身近にあり、全国民が円安の影響を受ける当事者と捉えられるでしょう。
円安の影響は国民だけでなく、企業にも大きな影響を与えます。特に製造業に与えるダメージは深刻です。何も対策をしなければ、倒産する企業も出ると予想されます。
この記事では、以下の内容について解説します。
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円安はマクロ要因で発生するため、解決を目指すのではなく、適応するように努めることをおすすめします。製造業で経営を行う人は必ず最後までご覧ください。
目次
【円安とは?】相対的に日本円の価値が低くなること
円安とは、日本の通貨である円が、他通貨に対して価値が低くなることを指します。
例えば、1ドル100円であれば、1ドルで販売されているものが100円で購入できます。一方で1ドル200円の場合、同じものでも購入には200円必要です。1ドル100円から1ドル200円になることを円安、と呼びます。
円が安くなる=円の価値が下がるため、海外の商品を購入する際に、より多くのお金が必要になります。海外からの輸入品が多い日本では、家計に大きな影響を与えるため、企業だけでなく、一般の人にも関係のある社会問題となっています。
2023年の為替レートの予測:円安は続く可能性が高い
非常に残念なことに、2023年も円安は続くと予想されています。
多くの日本人が円安の解消を望んでいます。一方なぜ円安になったのか、その原因を知らない人は多いのではないでしょうか。
円安の原因と、これからも円安が続くと予想される原因と要因の2つを解説します。世界経済が関わるマクロの問題のため、知っていても解決できるわけではありません。しかし、知っておくことで今後の動きを予測して対策を取るのに役立ちます。
1:2022年から続く円安の原因
2022年に起こった円安は、アメリカの金利が上がったことが影響しています。
金利が上がる=利息が上がるとも捉えられます。お金を預ける場合、少しでも利息が高いところに預けたい気持ちは理解できるでしょう。アメリカにお金を預けたい人が増えた結果、アメリカ通貨の価値が上がりました。
よって日本の円の価値が、相対的に下がったのです。
参考:https://www3.nhk.or.jp/news/special/news_seminar/jiji/jiji121/
2:2023年も円安が続くと予想される要因
2023年も円安が続くことが予想されています。
最も大きな理由は、日銀の新総裁になった植田総裁が持続性を重視し、利上げなどを早急に行う予定がないことです。
利上げは円安解消に効果的である一方で、日本の経済活動を減速させる可能性があります。一概に何がいいのかはわからないものの、利上げを行わない場合、円安が続くリスクは高いと考えて行動すべきです。
円安が製造業に与えるプラスの影響
円安は海外の拠点で製造し、海外で販売をしている会社にとっては追い風となります。
海外の拠点で製造をしている場合、円安の影響を受けることはありません。日本から材料を購入している場合、円安の効果でコストを下げた製造も可能です。
日本に本社のある会社であれば、決算のタイミングで他通貨から円に換算することも多いため、見た目の業績が上がる、という結果にも繋がります。
日系企業かつ、製造や売上の海外比率の高い会社にとっては、円安はメリットが大きくなります。
円安が製造業に与えるマイナスの影響
円安が進むと、製造に関わるあらゆるコストが増加し、経営を圧迫する可能性が高いです。
特に製造に与える影響が大きいものは以下の2つが考えられます。
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日本は多くのものを輸入によって賄っています。エネルギーの原材料も例外ではありません。これまで電気代が値上げされなかったのは、円高の影響が大きいと言われています。
参考:https://toyokeizai.net/articles/-/13090?page=2
製造業は24時間稼働の工場も多く、電気代高騰の影響を特に受けやすい業界です。加えて、製造に利用する原材料も、円安前は安いと言われた輸入品を利用することが多いでしょう。
2重のコスト増が利益を圧迫することは容易に想像できます。
製造業ができる円安への対抗策3選
製造業は円安の影響を強く受けるからこそ、対策を講じることが重要です。
円安の解消は一企業ではできないものの、円安でも経営を続けられる体質へ変化していくことは可能です。
ここでは3つ紹介させていただきます。紹介する方法は、円安が解消した後の飛躍にも繋げられる内容です。是非積極的に挑戦してください。
1:コストを削減する
一商品あたりのトータルコストを削減することが非常に大切です。
トータルコストを下げる方法は様々ですが、最初に設備投資することが効果的です。しっかりと設備投資を行うことで、以下を下げることができます。
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設備投資の目的を人件費削減と捉える人が多いですが、それだけではありません。正しく設備投資を行うことで、円安の影響で高騰している電気代や材料費も下げることができます。
最新の設備と旧型の設備ではエネルギー効率に大きな差があります。LED電気をイメージするとわかりやすいでしょう。LED電気は白熱電球に比べて電気代が安いことはご存知だと思います。
この例と同じように、多くの設備でも最新型の方が電気代は安くなります。24時間稼働するような工場では、大きな差にとなるのです。
原材料費についても同様に、効率的に使用することができる(ロスが少ない)ことが多いです。原材料費高騰の中、ロスを少なくすることは非常にインパクトが大きくなります。
設備投資については2023年〜2024年に向けて徐々に追い風となると予想されています。長らく問題視されていた半導体不足が解消される可能性があるためです。詳しくは以下記事もご参考ください。
弊社ブログ>>【2023年最新】半導体と製造業の2024年問題。半導体を作る会社と使用する会社が出来る事
2:海外向けの販売に力を入れる
円安のタイミングは海外へ販路を拡大するチャンスとも捉えられます。
円安は日本円の価値が下がること、と説明しましたが、逆に他通貨の価値は上がっています。要するに、海外のお客様が、メイド・イン・ジャパンの商品を安く購入することができるのです。
日本製は高品質・高価格と言われますが、円安では高品質・中価格となります。普段購入が難しい人も、円安のタイミングでは日本製を購入することが可能です。
円安は、海外の人に商品を購入してもらうために、最も適したタイミングです。これまで日本国内の販売のみに頼っていた企業は、是非海外に目を向けたビジネスへの転換も視野に入れてください。
3:地産地消で製造する
日本国内で調達から製造を完結することで、円安の影響を受けづらい経営が可能です。
円安よって材料費が上がるのは、輸入品を利用する場合です。日本国内の商品を使うことで、材料費に関しては円安の影響を受けずに製造することが可能です。
注意点としては、「日本国内で販売されている商品を利用する」という表面的な方法では意味がないということです。
日本で購入しているつもりでも、その商品が輸入品で作られている場合、日本製でも値上げされている可能性が非常に高いです。
地産地消で製造するためには、他社も含めたサプライチェーン全体で協力し、日本中心の製造を目指す必要があります。
コロナ禍を乗り越えた企業も油断できない状況が続く
コロナ禍を乗り越えた製造業に、円安問題が発生し、油断できない状況が続いています。
生き残ることも大切ですが、困難な状況で成長することができるのかが試されています。
製造業は昔ながらの職人気質な方が多く、変化を嫌う傾向があります。だからこそ、有事のタイミングを、変革のチャンスと捉え、積極的に行動することが大切です。
できることから少しずつでも行動は始めましょう。
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