「中小製造業者でDXってあんまり進んでいない気がする…何か原因があるのかな」
多くの業界でDXの導入が進んでいますが、中小製造業はまだまだDXを導入している企業が少ない印象です。
実は中小製造業でDX化があまり進んでいないのには理由があります。
この記事では中小製造業者の立場から「製造業のDX化が進まない理由」と「製造業者がDX化を進めるときにやるべきこと、気をつけるポイント」を解説します。
最後まで読んで、あなたの会社のDX化に役立ててください。
製造業のDX化が進まない理由
製造業のDX化が進んでいない理由は4つあります。
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それぞれ詳しく説明します。
DX化に精通している人がいないから
1つ目はDX化に精通している人がいないからです。
DXには新しいテクノロジーやデジタルツールを活用する知識が必要です。しかし、中小製造業にはITリテラシーが高い人材が多いとは言えません。
ITに精通している人がいないため、DX化のやり方が分からず、DXの導入を躊躇している中小製造業者が多くなっています。
予算が確保できていないから
2つ目は予算が確保できていないからです。
DX化には一定の投資が必要です。デジタルツールの開発や導入にはある程度のまとまったお金が必要ですが、中小製造業者は予算の確保が厳しい場合があります。
設備費や研究開発費などに優先的に予算を割り当ててしまい、DX化に充てる資金が不足している中小製造業者が多いです。
DXを導入する環境ができていないから
3つ目はDXを導入する環境ができていないからです。
製造業には過去の技術や仕組みで構築されているシステムが利用されており、DXを導入する環境が整っていない場合があります。
古いシステムではDX化を推進しても思うような効果が得られないことがあり、既存のシステムを丸ごと一新しないとDX化の効果が得られない可能性があります。
製造業ではセキュリティとコンプライアンスの規制が厳しく、そのためにDXの導入が難しい状況もあるようです。機密情報のオンライン化をする場合は、セキュリティ体制を万全に整えてから行うのが良いでしょう。
DX化した後のビジョンが明確ではないから
4つ目はDX化した後のビジョンが明確ではないからです。
中小製造業者がDX化を進めるためには、明確なビジョンと目標が必要になります。
明確なビジョンが無ければ、社員の支持を得ることが難しくなるでしょう。
具体的には「コスト20%削減」や「生産性10%向上」といったものが考えられます。
DX化を導入した後のビジョンを明確にすることで、組織全体が一丸となってDX化に取り組めるようになるのです。
製造業がDX化を推進するメリット
製造業がDX化を推進するメリットは以下の4つです。
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それぞれ詳しく説明します。
効率的な工場運営ができる
1つ目は効率的な工場運営ができることです。
DXを導入することで工場経営に関わるあらゆるものを数値化できます。
数値化されたデータをもとに工場の稼働状況や各作業員の作業効率などを改善すれば、効率的に工場運営ができるようになります。
無駄なコストを削減できる
2つ目は無駄なコストを削減できることです。
DX化を進めることで、従来は人の手で行ってきたものを機械に任せられます。
機械に任せることで作業スピードが上がるとともに人的ミスが減るため、結果的に無駄なコストを削減することに繋がるのです。
品質向上に繋がる
3つ目は品質向上に繋がることです。
組立作業や検査作業など単純作業が繰り返される場面では人的ミスが発生しやすいため、機械を導入すれば、安定して高品質の製品を提供できるようになります。
機械がする作業と人がやる作業を上手く分けましょう。
人に依存した工場運営にならない
4つ目は人に依存した工場運営にならないことです。
IT技術を利用すれば、業務から属人性を取り除けます。従来は熟練の作業員の勘や経験に頼っていた業務をデータ化することで、再現性をもたせることが可能です。
作業風景を動画として残すことで、教育コストを減らすこともできます。
製造業のDX化を推進するためにすべきこと
製造業のDX化を推進するためにすべきことは次の3つです。
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それぞれ詳しく説明します。
人材確保と育成
1つ目は、人材確保と育成です。
DX化を推進するためにはデジタル技術に精通した人材が必要です。製造業のDX化の成功は人材の能力に依存するといっても過言ではありません。
社内の人材を育成するとともに専門知識を持つ外部の人材を確保し、DX化に取り組みましょう。
専門家をチームに入れることでより早くDX化を進められますよ。
社内の環境を整えること
2つ目は、社内の環境を整えることです。
DXを導入するためには、ある程度社内環境を整えないといけません。
データのクラウド化や一元管理などは、DXの推進に不可欠な要素です。
現在、オフラインで管理されている業務資料などはオンライン化していかなければなりません。
社内環境をしっかりと整えたうえで、本格的なDX化に取り組みましょう。
現場で使う人のことも考慮すること
3つ目は、現場で使う人のことも考慮することです。
データは現場の状況を客観的に評価し、分析するための重要なツールです。
しかし、現場の意見をないがしろにしたDX化は、現場の人たちの反感を買うことがあります。
製造業のDX化を成功させるためには、データだけの最適化ではなく現場の人たちも気持ちよく業務できる環境を作り出す必要があります。
製造業者がDX化を進めるときのポイント
最後に製造業者がDX化を進めるときに気をつけるべきポイントを5つ紹介します。
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それぞれ詳しく説明します。
現状を適切に把握する
1つ目のポイントは、現状を適切に把握することです。
会社によって最適なDX化は異なります。そのため、自社の現状を適切に把握できるかどうかがDX導入の成功のカギと言っても過言ではありません。
現状把握のためには、それぞれの業務過程で使用しているデジタルツールを調べることが大切です。
それぞれの業務過程の課題を洗い出したり、従業員の要望を聞いたりして、自社にとって最適なDX化のビジョンを決めるのもいいでしょう。
DX化を推進するチームを作る
2つ目のポイントは、DX化を推進するチームを作ることです。
製造業者のDX化はとても大きなプロジェクトになります。従業員に通常業務と並行してDX関係の業務を行ってもらうと負担が大きくなりすぎてしまいます。
結果的に中途半端にDX化が終わってしまうので、DX化を推進するチームを作ることがオススメです。
チームを作ることで従業員がフルコミットでき、より早くDXの導入が実現します。
優先順位を決める
3つ目のポイントは、優先順位を決めることです。
DX化の優先順位を決めなければ、何から手をつけていいか分からなくなります。
オススメは、導入コストは低いけれど成果が上がりやすいものから導入することです。
成果が目に見えやすいため、DX化を推進するチームのモチベーションも上がりますし、社員のDX化への熱量も変わるでしょう。
スモールスタートで始める
4つ目は、スモールスタートで始めることです。
製造業者のDX化はとにかくスモールスタートで始めてください。
なぜなら、大きなDX化には多額の資金が必要となり、自社にDX化が合うか分からないまま多額の投資をするのは危険だからです。
小さなところからDX化を導入し、必要になった段階で大きな投資を必要とするIT技術を導入しても遅くありません。
成果を具体的な数値で測定する
5つ目は、成果を具体的な数値で測定することです。
新しいデジタルツールを導入するとき、社内から拒絶反応を示されることもあります。
しかし、実際にデジタルツールを導入することによって数値の改善が見られれば、社員の拒絶反応は薄れ、積極的にDX化に取り組んでくれるようになります。
具体的な数値を出すことで、新たなツールを導入するときの参考にもなりますよ。
まとめ
この記事では、製造業のDX化が進まない理由と製造業者がDX化を推進するメリット、DX化を推進するときのポイントをわかりやすく解説しました。
この記事のポイントを整理すると以下のようになります。
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製造業者がDX化を推進するのは簡単ではありませんが、導入すれば多くのメリットを享受できるのは間違いありません。
DX導入に向けて、今から動き出してみませんか?
最後までご覧いただきありがとうございました。
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