2023年最新 倒産、廃業、M&A!材料高騰化と半導体不足解消への過度な生産が製造業に与える影響は


半導体不足
製造業界で深刻であった、半導体や木材といった材料不足と、その価格の高騰化が落ち着きを見せています。

過去記事:2022年最新 半導体バブルは終焉。製造業に、深刻な受注減が襲い掛かる

それは、地政学的リスクなどを見越し、世界中で新規の工場が建設され稼働し始めたことで、材料不足が解消されてきているからだと考えられます。

殺到していた注文も落ち着き始め、製造業界での材料の需要と供給のバランスが取れるようになってきており、今まさに、製造業界の転換期を迎えています。

ただ、 今後また材料の需要と供給バランスが崩れる時、新たな問題にぶち当たることになります。

その問題とは、倒産、廃業、M&Aです。高掴みした材料費が経営を圧迫し、倒産や廃業に追い込まれることも予想されます。

場合によっては、黒字なのに会社が倒産する可能性すらありえる状況です。
また、円安の影響も相まって、材料費と電気代が高騰し、ダブルパンチで中小企業に悪影響を与えます。

ここでは、今中小企業が置かれている状況や、今後の見通しはどうなるかについて、解説していきます。

ぜひ最後までご覧いただければと思います。

材料の高騰化と不足は解消

制御装置の製造
前述している通り、材料の不足は解消されてきています。
それは、世界中で新規の工場が建設され、それらがフル稼働して、不足していた半導体数を補っているからです。

円がドルに対して相対的に価値が低くなる円安傾向が進んでいるため、一概に安堵できない状況であることに変わりはありませんが…。
円安が進みすぎてしまうと、結果的に材料費の高騰に繫がってしまうため、今後の円安については注視する必要があります。

ただ、材料不足が明らかに解消されているのは確かで、それは注残キャンセルや注文量の減少という現象に現れています

需要と供給のバランスが崩れる

材料不足に陥っていた製造業界において材料の確保は生命線となります。特に、IoT製品や電気自動車など、現代の製品については、半導体という材料を確保できるか否かが、経営を存続させるためには、重要なファクターとなっています。
これまで、世界情勢や新型コロナウィルス拡大などのさまざまな世界情勢から材料の入手が困難となっていました。
そんな中、材料の高騰が続き、当然半導体の価格も値上がりしていました。
このような状況の中で、材料の需要と供給のバランスが崩れた場合、材料価格が減り、注文が減少することもあります。
そのため、売上が減少し、経営を圧迫する原因となります。
需要と供給が崩れ、材料の急激な需要増が発生すると、その反動で、材料の急激な減少を生むことにもなります。
その時、各中小企業は適切な経営判断を下すことを迫られます。

経営指標へダブルパンチ、エネルギーコスト上昇


参照:日本経済新聞「電気料金、夏も上昇続く 資源高で電力5社は5月値上げ」
今後材料の需要と供給が再び崩れた場合、半導体やその他の材料の価格が急上下することが考えられます。
その不安定な材料の需給と連動して問題になっているのがエネルギーコストの上昇です。

参考外部記事:【2022年11月最新】電気料金値上がりの現状と企業の対応策

つまり、電気代が高騰していることが、製造業界において、大きな問題となっています。
電気代の高騰に伴い、各企業の営業利益は減少するでしょう。

そして、近年稀に見る電気代の高騰により、ある企業では製品を製造する時にかかる総コストの内、3割が電気代となっている企業もあります。

この電気代高騰が続けば、総コストの半分を電気代が占めることもありえる状況です。

エネルギーコスト上昇という状況においては、企業の経営指標において、致命的な要因となることが予想されます。

今後の見解


材料の需要と供給のバランスが崩れることで、木材業界において問題となったウッドショックにより倒産する会社が相次いだような状況が、製造業界でも起きることが考えられます。

材料供給の不安定さと、エネルギーコストの上昇により、各中小企業では、切羽詰った経営判断をくださなければならない状況に陥ることが考えられます。

そのため、社内のリソースを削減することも検討する必要があります。
その中には、苦しいかもしれませんが人員整理も含まれています。

企業としての準備

材料需給の不安定さと、エネルギーコストの高騰により、企業の経営は圧迫されることが予想されます。

では、これらの経営圧迫要因に対して、企業として対策できることは何なのでしょうか。

それは2つ考えられます。

第一に、お客様や協力会社から注文状況に関する情報を徹底的に収集することです。
近代の製造業界は、世界的なサプライチェーンの元に成り立っています。

その中で、自社がどう立ち振る舞えば良いか、どういう経営判断をくださなければならないかを、他社の動向を見ながら、推し量る必要があります。

第二に、在庫の正確な把握と、在庫調整です。
在庫調整は、コスト削減の基本となる部分ですが、これまで以上に在庫の管理を徹底しなければ、今後の世界情勢についていくことは難しいと言えるでしょう。

まとめ

ここまで、材料不足解消と過度な生産が製造業に与える影響について解説してきました。

この記事のポイントを整理すると以下の通りです。
・生産工場の新設などにより世界的な材料不足は解消しつつある。
・今後の企業にとっての懸念点として、エネルギーコストの上昇がある。
・今後も材料の需要と供給のバランスが崩れることは考えられる。
・材木業界でウッドショックがあったような事が、製造業界でも起こりえる。
・材料不足問題やエネルギーコスト上昇問題において、企業が取るべき対策は、お客様や協力会社とのコミュニケーションを図り情報収集を行うこと、適切で徹底的な在庫管理を行うこと。

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。