今コロナ禍やウクライナ侵攻により、ものづくりの基礎であるグローバルサプライチェーンが崩壊しています。
今日本の各メーカーでは、世界経済に大きなインパクトがある事象に影響されて、賃金などのコストパフォーマンスに重点をおいた戦略から、安定した部品供給ができるようなリスク回避型の地産地消サプライチェーンへの変革が始まっています。
これから構築される新しいサプライチェーンは、コロナウィルスの感染拡大や、ウクライナ侵攻による影響を最小限に留めるような、持続可能性が高いサプライチェーン。
今回は、新たなサプライチェーンを構築するために、今日本や各企業ができることは何かについてまとめました。
この記事の中に、これからの新しいサプライチェーンを築くヒントがあれば幸いです。
ぜひ最後までご覧いただければと思います。
想定外の出来事がカントリーリスクを露呈
今、ものづくりの要であるグローバルサプライチェーンが機能しない状態が続いている。
その要因は、以前から懸念されていたカントリーリスクが、コロナウィルスの感染拡大やウクライナ侵攻などの想定外なイベントによって、カントリーリスクが露呈してしまったことが挙げられる。
カントリーリスクとは、国の政治や経済、社会情勢といったそのエリア特有の事象に起因するリスクのことです。
例えば、急激な物価上昇や、通貨価値の下落、革命や政権交代、地震やハリケーンなどの自然災害などが具体例としてあげられます。
関連ブログ:2022年最新 カントリーリスクが日本の製造業に与える影響とその対策について
参考ページ:「カントリーリスクとは?」をゼロから解説…意外と知らない投資の基礎知識
さらに、コロナ禍を原因としたコンテナ不足により、世界の物流システムが滞ってることで、製造に必要な素材の供給が安定して得られないということも、サプライチェーンを崩壊させている原因となっている。
これらにより、世界規模で各々の企業が大打撃を被っていることが懸念されています。
グローバル調達から地産地消という考え方へ
これまでのコストパフォーマンスを重点においたサプライチェーンから、その製品が最も売れている国や地域で調達する地産地消サプライチェーンを構築する動きが起きている。
例えば、アメリカで良く売れるものについては、アメリカで素材を入手し必要な部品を手に入れたり、日本で最も売れるものは、日本国内で必要な素材や部品を入手し、組み立て出荷するといったようにサプライチェーンに変化しています。
つまり、これまでのグローバルなサプライチェーンから、その地域で入手しその地域で消費するといった地産地消型サプライチェーンに変化してきている兆しがあります。
今日本で起きている事
日本では上記のような地産地消型サプライチェーンへと移行が、ものすごい勢いで始まっている。
必要な素材を日本で揃え、部品を加工し、組み立て、販売するといった工程を全て日本国内で実施することで、コロナウィルスの感染拡大や、ウクライナ侵攻といった世界規模の影響を最小限に留めることのできるサプライチェーンを構築することが可能となります。
この試みは、日本の雇用を守ることにもつながり、国内の失業者数の増加にも歯止めをかける一助にも成りえます。
日本の製造業にとって最大のチャンス
地産地消型サプライチェーンは、日本の製造業にとっても大きなチャンスと捉えることもできます。
その理由の一つに、輸送コストを削れることがあげられます。
必要な素材や部品を外国から輸入する運送コストと、国内で揃える運送コストでは、国内で揃えるコストの方が当然安く済みます。
また、 為替リスクを受けないということもメリットに含まれるでしょう。
為替リスクとは、為替レートの変動によって、商品の価値の変動が起きないことを指します。
さらに、国外への輸出入がないことで関税がかからないことも、地産地消型サプライチェーンのメリットです。
今企業がやるべき事
今日本中の企業が今やるべきことは以下の3点です。
技術者の確保
ものづくりにおける優秀な技術者の確保は、企業にとって重要になるでしょう。
製造業の国内回帰が進んだ際に、技術の幅が広ければ広いほど、受注の幅すなわち付加価値が高まっていきます。
一方で、技術者の海外流出は深刻な課題。
海外の雇用条件が、日本の雇用条件より良いから、優秀な人材ほど、海外へ流出してしまう傾向がある。
優秀な人材の海外流出を防ぐためにも、日本企業で働く場合の賃上げは重要な打ち手と言えるでしょう。
生産場所の確保
受注が増える可能性が高いので、生産できる場所の確保は必須。
今はWEBを使えば十分に採用を行う事が出来る。
だからこそ、田舎でも良いので生産場所の確保は必須ともいえるでしょう。
M&Aによる企業買収によって、自社の技術を発展させ、他社の技術を吸収すること
技術の幅を広げる手っ取り早い手段は、M&A。
後継者不足で悩んでいる経営者は多いからこそ、今はそのチャンスがあふれている。
M&Aはお客様に提案する幅を広めてくれる。お客様も協力会社を探しているため、製造の幅が広くなればなるほどチャンスは広がってくる。
いずれにせよ、今を変革期と捉え、素早い判断が経営者には求められている。
まとめ
この記事でのポイントを整理すると以下の通りです。
・コロナウィルスの感染拡大やウクライナ侵攻によってグローバルなサプライチェーンが崩壊してきている。
・持続可能性のあるサプライチェーンとして、地産地消型のサプライチェーンが注目されている。
・地産地消型サプライチェーンでは、素材や部品の運送コストを抑えられ、また為替リスクを回避することもできる。
・地産地消型サプライチェーンにおいて、最も深刻なのは、優秀な技術者の確保。
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
中小製造業の経営者でしか知りえないリアルな情報を発信
【主な経歴】リクルート出身。数々の個人賞を受賞し、GMを歴任
【御津電子での実績】苦しい工場経営を1年でV字回復。技術力と人材育成を通じて、日本を代表する企業を目指している
【講演実績】
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