国土交通省のワンコイン浸水センサ実証実験に参加している、「水ピィ杭」(株式会社リプロ様)。
弊社は「アイデアを形に」というテーマを掲げ、商品の開発に携わらせていただきました。
今回は、開発成功の具体例とともに、共同開発のプロセスや重要性を皆様にお伝えしたいと思います。
「水ピィ杭」とは
「水ピィ杭」とは、用水路や河川などの増水を感知する杭です。
内臓のセンサが水位上昇を検知すると、警報音を鳴らすと同時に、事前登録されたメールアドレスへの通知等で危険を知らせます。
国土交通省のワンコイン浸水センサ実証実験に使用されており、
豪雨や高潮による水害の対策として、自治体や研究機関等でも利用されている商品となります。
商品共同開発のプロセス
製品の共同開発の流れを1~6まで、「水ピィ杭」の実例を交えながらご説明します。
1.お客様との打ち合わせ
まずは、共同開発するにあたって基盤となる、お客様との打ち合わせです。
製品の機能や予算、環境条件など、具体的な内容を詳細にヒアリングしていきます。
お客様の要望に対し、技術的に可能・不可能かどうかも率直に説明し、製品開発の方向性を明確にしていきましょう。
今回の「水ピィ杭」の場合、水没しても問題ないように完全防水であることが求められたため、
素材選定や密閉性の確保等が課題となり、初期段階からヒアリングの徹底と仕様の見直しを繰り返し行いました。
特に公共性の高い製品では、正確なニーズ把握が重要になってきます。
信頼ある製品づくりは、綿密な打ち合わせから始まります。
2.設計
お客様からの要望をもとに、設計をしていきます。
単に、機能を満たすだけでなく、コストや耐久性、射出成型、金属加工、印刷、組み立てなど、製造効率を高める形状や素材選定まで、総合的に考慮します。
「水ピィ杭」の設計段階での最初の壁は、内部空間が狭いということでした。
限られたスペース内で必要な部品をすべて収める必要があり、
さらにLPWA通信対応や電池交換を長期間不要にするなどの工夫も必要であったため、部品の配置やサイズ調整に苦戦しました。
また、浸水防止のシーリング加工を施すにあたって、外観を損なわないように、機能性とデザイン性どちらも重視する必要もありました。
お客様のニーズに加え、製造現場での効率化も考慮した最適な設計が、成功の鍵となります。
3.試作
製品を初めて形にしていく試作段階。
試作を行うことで、設計段階の理論が実践で通用するかを徹底的に検証していきます。
商品の外観や嵌合等の確認を行い、問題点を早期に発見することができるでしょう。
加えて、お客様からフィードバックを頂くことで、具体的な改良ポイントを見つけ、よりお客様の想いに近い製品づくりが可能になります。
4.お客様による評価
試作品をお客様に提供し、実環境での評価を頂きます。
「水ピィ杭」のような公共性の高い製品は、対候性や水位検知性能など実環境による機能確認が欠かせません。
お客様から、機能性や耐久性など、忌憚のないフィードバックを頂き、改良をしていきます。
お客様との評価プロセスを重ね、最終段階へと近づけていきましょう。
「水ピィ杭」試作品では、浸水する可能性があることが発覚しました。
最終的には浸水問題を完全に解決し、お客様からは「デザイン性と機能性の両立がしっかり実現している」と高い評価を頂きました。
お客様と何度も打ち合わせ、コミュニケーションをとっていく事が大変重要になってきます。
5.量産開始
いよいよ量産です。
各工程で発生しうる問題を事前に考慮し対策するために作業手順を明確にし、品質のばらつきが発生しないように各工程内でも検品を行います。
また、量産中に不具合や問題が発生した場合、量産過程で得られる製造データやフィードバックを活用し、迅速に対応できる体制を構築しておきましょう。
「水ピィ杭」のような災害対策に使用される製品は、特に信頼性が求められます。
弊社では、部材手配・調達から設計、試作そして生産までを自社で行うことを徹底し、高品質かつ効率的な量産体制を構築します。
6.最終検査と納品
「水ピィ杭」では主に、動作確認、防水性能確認、外観検査、電極状態の確認を行い、検査記録表による厳しい品質管理を徹底しています。
外観、動作、性能などあらゆる角度から製品を検査し、信頼性の高い製品をお客様へ納品します。
「水ピィ杭」は、お客様の要求水準をクリアし、安定した品質で生産・出荷できる製品へとなり、国土交通省の実証実験に採用されています。
(令和6年度 ワンコイン浸水センサ実証実験 | 国土交通省)
まとめ
今回は、お客様との共同開発のプロセスを「水ピィ杭」の実例とともに、ご説明しました。
弊社では、設計、部材手配・調達、試作、量産まで、一貫して行うことで、品質と生産効率、コストを考慮した製品づくりが可能です。
商品開発から製造まで、お悩みの方はぜひ御津電子までご相談ください!
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【御津電子での実績】苦しい工場経営を1年でV字回復。技術力と人材育成を通じて、日本を代表する企業を目指している
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