2023年最新 半導体・樹脂・鉄鋼など深刻な材料不足と高騰化が招く製造業への影響



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半導体・樹脂・鉄鋼などの深刻な材料不足と高騰化が、日本の製造業に大きな影響を与えています。
御津電子も例外ではなく、製品を作る部材が入ってこない、納期は約2年、部材は2倍に高騰等、非常に厳しい状況が続いています。
状況をいち早く察知し大量に材料確保できた大手企業とは違い、中小企業は材料不足と高騰化に悩まされているのではないでしょうか。

なぜこのような状況になっているのか?製造業の現状はどうなっているのか?今後の見通しはどうなのか?今出来る事は何か?
弊社の情報を共有しますので、少しでも参考にしていただければと思います。

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深刻な材料不足と高騰化の背景

新型コロナ後の急速な設備投資意欲拡大

世界に目を向けると、新型コロナ後の景気回復に向けて200兆円を超える補正予算がまとまろうとしています。
その潮流に加えて、働き手不足による自動化等の波にものり、企業は設備投資に積極的になっている現状があります。
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物流の世界的な停滞

新型コロナウィルスの影響を受けて、世界的にコンテナが不足し、物流業界は混乱しています。
世界的に物量が増えたことに加え、港で数週間隔離されることが原因なようです。
新型コロナの状況によりますが、今後も不安定な状況が続きそうです。
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EV導入と自動化設備の急速な需要拡大

カーボンニュートラルが叫ばれ、世界の潮流は明らかにEVにシフトしています。EV車や自動化設備には大量の半導体関連部品が使われるため、需要が急拡大しています。
この潮流はより加速すると見立てられており、より部材は不足するのではないかと予想されています。
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企業の材料囲い込み

材料不足と高騰化は、材料の囲い込みを招きます。全ての企業が材料の囲い込みに走り、大量発注・大量に在庫を抱える、といった状況になっています。
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材料不足と高騰化の見通し


20221年は間違いなく材料不足と高騰化は続く見立ており、その後想定されることは以下の3パターンだと考えています。
パターンA 長期で材料不足と高騰化が続く。徐々に需要と供給のバランスが戻り始める
パターンB 中期で材料不足と高騰化が続く。急に需要と供給のバランスが崩れ、在庫過多状態や価格破壊が発生する
パターンC 短期で材料不足と高騰化が終わる。突如として需要と供給のバランスが崩れ、バブルがはじけた状態になる
ウッドショックはまさにパターンCに当てはまり、今では材料価格はバブルがはじけたようになっています。
歴史は繰り返されるという観点ではパターンBが最も現実的であり、企業としては突如としてやってくる在庫過多状態と価格破壊に備えなければなりません。
お客様の注文状況や世間の情報に網を巡らせて、どこよりも早く動きをかける事が重要であると考えています。
“半導体狂騒曲”、これはバブルなのか? 投資合戦が行き着く先は?

今から出来る準備

材料不足と高騰化が招く製造業への影響 準備

マクロからミクロまで、幅広い情報収集

私たちの日々の生活は、世界で起きている事に大きく左右されます。
今世界で何が起きているのか?欧米諸国の国の政策・方針など、幅広く情報を集めて何が起こるか予想していく事が大切です。
また目の前のお客様の注文状況がどうなっているのか。細かく監視を続け、ちょっとした変化にも敏感になって情報を集めていく必要があると考えています。

適正在庫のこまめな見直し

急に需要と供給のバランス戻り、需要過多状態に陥り、在庫過多状態や価格破壊が発生する事を考えると、常に自社の在庫状況を把握する必要があります。
先の注文と現在の注文を見て、常に適正な在庫を見直していく必要があると考えています。

技術人材の確保

材料不足と高騰化が招いた次は、技術系人材の争奪合戦。(もはや始まっていますが)
2021年終わりまで、企業はたくさんの注文を抱える事になると見立てています。
その注文をこなす為には、人材が必須。特に育成教育に時間がかかる技術系人材は、必ず不足すると見立てています。
求人を常に出して、いつでも採用できる体制を整えておく必要があります。

まとめ

半導体・樹脂・鉄鋼など深刻な材料不足と高騰化は、2021年迄は続くとみられていますが、その後は正直不透明な状態。
新型コロナウィルスは終息に向かうかどうかも不明、世界物流の停滞が解消されるかも不明、半導体メーカーは投資を行い生産数の増強を狙う。
世界で起こる事と各企業の思惑が行き来し、まったく先行きは見えない状況あります。
だからこそ、情報を幅広く集めて、いち早く企業戦略に落とし込んでいく事が、今求められているように思います。